コラム・データで見るMBTI
人が2倍来ても、集まる性格は薄まらなかった - MBTIアプリ4,261人で前回の偏りを再検証した話
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前回の記事の最後を、俺はこう締めた。「うちはこういう人向けです」と割り切るのか、それとも「もっと広げにいく」のか。正直、まだ答えは出てない、と。
あれから10日ちょっと。その間に検索からの流入がさらに伸びて、診断してくれた人が4,261人になった。前回の記事を書いた時点では2,290人だったので、ほぼ倍。
先に断っておくと、これは「10日で人が倍増した」という話ではない。今回の4,261人には、相手の型を入れずに自分だけ診断した人も含めている。前作の2,290人をどういう条件で数えたのか、きっちり書き残していなかったので、完全に同じ土俵での比較とは言い切れない。増えた分には、本当に増えた人と、数え方を広げた分が混ざってる。
それでも、聞きたいことは変わらない。人が増えたら、あの偏りは薄まったのか。
結論から書くと、ほとんど薄まらなかった。
4つの軸は、ほとんど動かなかった
おさらいから。MBTIは4つの軸でできてる。外向(E)/内向(I)、感覚(S)/直観(N)、思考(T)/感情(F)、判断(J)/知覚(P)。前回わかったのは、うちのアプリに来る人がN・F・P・Iの側に大きく寄ってる、という話だった。
同じ4軸を、今の4,261人で出し直した。一般人口の数字は前回と同じ出典で、こっちは動いてない。
| 軸 | 前作 2,290人 | 今回 4,261人 | 一般人口 |
|---|---|---|---|
| N(直観) | 63.5% | 61.9% | 26.7% |
| F(感情) | 74.2% | 73.4% | 59.8% |
| P(知覚) | 61.4% | 64.1% | 45.9% |
| I(内向) | 58.5% | 55.6% | 49.3% |
N(直観)は63.5%から61.9%、F(感情)は74.2%から73.4%。どちらも2ポイントに満たない下がり方で、「薄まった」と呼ぶには小さすぎる。一般人口のN型26.7%と並べれば、相変わらず別の世界にいる。
予想と違ったのは残りの2つ。P(知覚)は61.4%から64.1%へ、下がるどころか上がってる。P(知覚)は「先に計画を固めるより、その場の状況に合わせて動きたい」タイプで、逆のJ(判断)は決めた通りに進めたい側。母数が増えて、むしろ出たとこ勝負の側が濃くなった。
素直に一般人口へ近づいたのはI(内向)だけだった。58.5%から55.6%まで下がっていて、内向が減った分だけ外向が増えてる計算になる。とはいえ、まだ過半数は内向のまま。
※今回の4,261人は「相手の型を入れずに自分だけ診断した人」も含む広めの定義。前作の2,290人と完全に同じ条件で数えたとは言い切れないので、この比較は大まかな傾向として読んでほしい。
流入が急に増えた時期の人だけ、切り出してみた
ここまでは全体の平均値で、古い層と新しい層が混ざって打ち消し合ってる可能性がある。本当に知りたいのは「新しく来た人はどうなのか」のほうだった。
なので7月16日を境に、データを2つに割った。検索からの流入がはっきり伸び始めた日で、それ以前を「早期」、以降を「急成長期」と呼ぶことにする。人数は1,090人と3,171人。あとから来た人のほうが約3倍多い。
| 軸 | 早期 1,090人 | 急成長期 3,171人 |
|---|---|---|
| N(直観) | 63.1% | 61.5% |
| F(感情) | 74.6% | 73.0% |
| P(知覚) | 59.8% | 65.6% |
| I(内向) | 59.0% | 54.4% |
N(直観)は63.1%から61.5%、F(感情)は74.6%から73.0%。どちらも2ポイントに満たない差で、人が3倍来ても、この2つはほぼ同じ形のまま入ってきてる。
P(知覚)は59.8%から65.6%へ、はっきり上がった。全体でPが増えてた理由はこれ。新しく来た人ほどP寄りだった。
I(内向)は59.0%から54.4%へ。ここだけは新しい層のほうが外向寄りになってる。それでも過半数は内向。
16タイプを4グループに束ねたときの「外交官」(ENFP・INFP・ENFJ・INFJ)の比率も見た。前作45.5%、早期44.9%、急成長期42.7%。少しずつ下がってはいるけど、3つとも4割台のまま。母数が約3倍になっても、この4タイプだけで4割を占める構図は動かなかった。
※外交官グループの比率だけは、人単位ではなく「診断した組み合わせ」単位での集計(早期1,511件・急成長期4,565件)。次のセクション以降も、この単位に揃えている。
「広く届けにいったら、普通の人が増えて偏りが薄まる」。俺が半分期待して、半分怖がってたのはこれだった。起きなかった。あとから来た層も、だいたい同じ性格の人たちだった。
人気ランキングも、上位の顔ぶれは同じだった
タイプ別の件数も並べ直した。ここからの数字は「診断した組み合わせ」単位で数えてある。同じ人が別の相手と診断すれば2件、同じ相手と何度やっても1件、という数え方。サイトの他の統計と同じ考え方に揃えてあるので、次に出てくる表ともそのまま突き合わせられる。
| 順位 | タイプ | 件数 |
|---|---|---|
| 1 | ENFP | 915 |
| 2 | INFP | 735 |
| 3 | ISFP | 722 |
| 4 | INFJ | 569 |
| 5 | ESFP | 430 |
| 6 | ISFJ | 418 |
| 7 | INTP | 414 |
| 8 | ENFJ | 410 |
| 9 | INTJ | 271 |
| 10 | ENTP | 265 |
| 11 | ESFJ | 228 |
| 12 | ISTP | 212 |
| 13 | ENTJ | 154 |
| 14 | ESTP | 149 |
| 15 | ISTJ | 135 |
| 16 | ESTJ | 49 |
上位4つ(ENFP・INFP・ISFP・INFJ)は、前作の上位5と同じ顔ぶれ。最下位もESTJのままで、49件。1位のENFPが915件なので、同じアプリの中で桁が違う。
少し意外だったのは、ISFP(722件)が3位に入ってることと、5位のESFP(430件)。どちらも感覚(S)型で、全体ではN(直観)が6割を超えてるのに、上位にS型が2つ混ざってる。「S型はこういうアプリを開かない」で全部を説明できるわけじゃない、ということでもある。
「自分でやる人」と「連れてこられる人」も、だいたい再現した
前回いちばん反応があったのがこの切り口だった。うちのアプリは「自分の型」と「相手の型」を両方入れるので、データには2種類の型が残る。診断を開いた本人の型と、相手として名前を挙げられた型。
この2つを同じ単位で数えて比を取ると、1より大きければ「自分から開くタイプ」、1より小さければ「たいてい恋人に連れてこられるタイプ」になる。「自分で診断」の列は、ひとつ前のランキングの件数とそのまま同じ数字。
| タイプ | 自分で診断 | 相手として申告 | 比 |
|---|---|---|---|
| INFJ | 569 | 335 | 1.70 |
| INFP | 735 | 467 | 1.57 |
| ISFP | 722 | 493 | 1.46 |
| INTP | 414 | 292 | 1.42 |
| ENFP | 915 | 648 | 1.41 |
| ISFJ | 418 | 320 | 1.31 |
| ESTP | 149 | 128 | 1.16 |
| ESFP | 430 | 390 | 1.10 |
| ESFJ | 228 | 214 | 1.07 |
| ENTP | 265 | 280 | 0.95 |
| INTJ | 271 | 285 | 0.95 |
| ENFJ | 410 | 435 | 0.94 |
| ISTJ | 135 | 166 | 0.81 |
| ISTP | 212 | 316 | 0.67 |
| ENTJ | 154 | 267 | 0.58 |
| ESTJ | 49 | 116 | 0.42 |
前作の上位はINFP(1.65)・INTP(1.46)・INFJ(1.33)、下位はESTJ(0.41)・ISTP(0.43)・ENTJ(0.50)だった。今回もINFP・INTP・INFJは上位に残ってるし、ESTJは最下位のままで、比もほぼ同じ0.42。前回と同じ場所に着地してる。
ただし、きれいに一直線とはいかなかった。今回のトップはINFJ(1.70)で、前回1位だったINFP(1.57)を抜いてる。3位以下はISFP(1.46)・INTP(1.42)・ENFP(1.41)。前作で名前を挙げた3つは全部残ってるけど、そこにISFPとENFPが割り込んできた形。大枠は再現するのに、細部は測り直すたびに揺れる。そのくらいの精度のデータだと思っておいたほうがいい。
あと、前回書いた「内省的なタイプほど自分から開く」という説明に、素直に乗らないタイプもいる。ISFJ(1.31)・ESTP(1.16)・ESFJ(1.07)は、どれも現実や事実を重視する感覚(S)型で、前回の理屈なら自分からは開かない側に回りそうなのに、1を超えてる。あの説明は、そこまできれいには効いてない。
今回気づいて面白かったのがENFJ(0.94)。外交官グループの4タイプのうち、ENFJだけが1を下回って「連れてこられる側」に入ってる。件数では8位(410件)で決して少なくないのに、比で見ると誘われる側。理由は分からない。分かったら書く。
前回も書いたけど、念のためもう一度。これは「ESTJは恋愛の相性が悪い」という話では一切ない。自分から診断ボタンを押すか押さないか、それだけの傾向の話で、押される回数と、その関係がうまくいくかどうかは完全に別モノ。ESTJの人、今回も安心して。
正直に書いておくべきこと
前回と同じ限界を、もう一度置いておく。
これは「日本人の性格分布」じゃない。「うちのアプリにわざわざ来た人」の分布で、自己選択サンプルってやつ。母集団が最初から偏ってる。人数が倍になっても、この性質は変わらない。むしろ今回は「倍にしても偏ったままだった」という内容なので、なおさら一般化には使えない。
MBTIそのものについても同じ。心理測定としての信頼性・妥当性には学術的な批判がそれなりにあって、「同じ人が数週間後に測ると型が変わる」とも言われてる。この記事も、自己申告のちょっとした遊びの上に成り立ってる話として読んでほしい。
今回、それを裏づける数字も出た。複数回診断した1,725人のうち、403人(23.4%)は、診断のたびに違う型を申告してた。4人に1人弱。
※前作では「2,290人中220人(9.6%)」と書いた。あれは1回しか診断していない人(定義上ぶれようがない)まで分母に入れた数字で、今回は「複数回診断した人だけ」を分母にしている。分母の取り方が違うので、9.6%から23.4%に悪化した、と読むのは間違い。見る場所を変えただけ。
入力ミスなのか、1台の端末を家族や友達と使い回してるのか、本当に気分で型が揺れてるのか。そこまでは分からない。ただ、この程度にはブレるデータの上で全部の集計をやってる、というのは書いておく。
で、「広げにいく」の答えは出たのか
前回の宿題は「割り切るか、広げにいくか」だった。今回出たのは、その答えそのものじゃなくて、答えを考える前の前提のほうだった。
母数が倍になっても、あとから来た3,171人だけを取り出しても、構成はほとんど変わらなかった。つまり「人が増えれば、そのうち自然にいろんな人が来る」は起きない。少なくとも今のやり方——検索から人を連れてくる——では、入口を広げても入ってくる顔ぶれは同じだった。
考えてみれば当然で、検索してうちに辿り着く時点で、その人は自分で「MBTI 相性」みたいな言葉を打ち込んでる。そこでもう選別が終わってる。流入を増やすのは、同じ性格の人をもっと連れてくることでしかなかった。
唯一動いたのがI(内向)で、55%台まで下がってきてる。今のところ、ここだけが「広がってる」ように見える箇所。ただ4軸のうち1つだけなので、何かを言い切るには早い。
割り切るか広げるかは、まだ決めてない。ただ「放っておいても広がらない」ことは分かった。広げたいなら、流入を増やす以外のことをやる必要がある。それが何かは、まだ分からない。
おわりに
まとめると、
- 母数が2,290人から4,261人になっても、N(直観)61.9%・F(感情)73.4%の偏りはほぼそのまま
- P(知覚)は61.4%から64.1%へ、むしろ強まった。新しく来た人ほどP寄り
- I(内向)だけ58.5%から55.6%と一般人口に近づいた。それでも過半数は内向
- 「自分から開くのはINFP・INTP・INFJ、連れてこられるのはESTJ」の構図はほぼ再現。ただし細かい順位は毎回入れ替わる
- 複数回診断した人の23.4%は、毎回違う型を申告してる。今回も話半分で
母数を増やしても中身が変わらないデータを眺めるのは、地味に面白かった。うちのアプリは、俺が思ってたよりずっと頑固に「特定の性格の人のための場所」だった。
次に見たいのは、この偏りがアプリの入口で起きてるのか、それとも検索キーワードを打ち込んだ時点で起きてるのか、の切り分け。そこが分かれば、広げ方も少しは見えてくると思う。
※その切り分けができたら、また書きます。できなければ、そのまま黙ってると思う。
出典・関連記事
前回の記事はこちら: N=2,290人だった前作。4軸の偏りや「自分でやる/連れてこられる」の考え方は、そっちで最初から説明してる。
- MBTI一般人口分布(Myers-Briggs財団/CPP社の集計に基づく値・前作と同じ出典をそのまま使用): Crown Counseling - Myers-Briggs Statistics
- 16タイプを4グループに束ねる分類・タイプ解説は「ふたりのトリセツ」アプリ内のタイプ解説データに基づく
※本文中の自サイトの数値はすべて、本番DBの実データ(2026年1〜8月)に基づく実測値です。4軸の分布は「自分の型を入力した診断主体4,261人」単位、タイプ別の件数・外交官グループ比率・自分/相手比は「診断した組み合わせ」単位での集計です。MBTIは自己申告に基づく性格分類であり、学術的な信頼性・妥当性には議論があります。本記事の数値は自サイト利用者という偏ったサンプルの傾向であって、日本人一般やMBTI理論そのものを証明するものではありません。また、診断頻度と相性の良し悪しは無関係です。
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この記事のよくある質問
前回の記事と今回で、結論は変わりましたか?
変わっていません。むしろ「変わらなかった」ことが今回の結論です。診断した人が2,290人から4,261人に増えても、N(直観)61.9%、F(感情)73.4%という偏りはほぼそのままでした。動いたのは、I(内向)が58.5%から55.6%へ下がったことと、P(知覚)が61.4%から64.1%へ逆に強まったことの2点です。
利用者が増えれば、偏りは自然に薄まるのでは?
今回はそうなりませんでした。検索流入が伸び始めた7月16日を境に、早期(1,090人)と急成長期(3,171人)に分けて比べたところ、あとから来た3,171人もN61.5%・F73.0%・P65.6%で、早期とほぼ同じ構成でした。少なくとも検索から人を集めるやり方では、入ってくる人の顔ぶれは変わらなかった、ということになります。
このデータから「日本人にはN(直観)型が多い」と言えますか?
言えません。これは自己選択サンプルで、MBTIの相性診断アプリをわざわざ検索して開いた人だけの分布です。母集団が最初から偏っているため、一般人口への拡張はできません。MBTI自体も心理測定としての信頼性・妥当性に学術的な批判があるので、その前提で読んでください。
ESTJの数値が低いのは、恋愛に向いていないということですか?
違います。表の比(ESTJは0.42)は「自分から診断した数 ÷ 相手として名前を挙げられた数」で、診断ボタンを自分で押すかどうかの傾向を表しているだけです。関係がうまくいくかどうかとはまったく別の話で、このデータからは何も言えません。






